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記事タイトル:私が夢中になったお客さんのことを話してみようかな

ライター:木内裕香   閲覧数:30004

2018-03-17 23:11:00

現役風俗嬢の裕香です。

今日は私が忘れられないお客さんのことを話してみますね。

その人の名前は加藤さん(仮名)

加藤さんは、よく指名してくれた人でした。

年齢は50歳くらいでしょうか。

年相応に顔にはしわがあるし体の肉もたるんでいましたが、風俗嬢だからといって特別視するわけでもなく、とても紳士的に接してくれました。

【スイーツ持参のお客さん】

店に来るときは、加藤さんはいつもお土産を持ってきてくれました。

お土産は、有名な和菓子屋さんのどら焼きや羊羹だったり、コンビニのスイーツのときもありました。

個室に入ると、まずスイーツを出して食べ始めるのが加藤さんの流儀なんです。

あまりプライベートなことは聞かなかったけど、加藤さんはたぶん独り暮らしだったと思います。

これは私の想像だけど、奥さんと離婚して子供は奥さんが引き取ったパターンでしょうね、きっと。

60分コースでも、加藤さんは30分くらいスイーツを食べながらしゃべっているので、とても楽なお客さんでした。

でも、正直なところこれでいいのかなって、加藤さんが帰ったあとでいつも考えていました。

だって、高いスイーツをごちそうになった上に、60分の料金を払って30分しかプレイできないんですからね。

それも、私のほうから「あ、もうこんな時間ですよ」と言って初めて、「ああ、そろそろお願いしようかな」と言って、加藤さんは一人でシャワーを浴びてゴロリとベッドに寝転がるんです。

そして、咥えてあげると5分くらいで「あ、あ、んん…」なんて勝手に悶えて終わっちゃいます。

加藤さんって、ホントに手間いらずのお客さんなんですよねぇ(笑)

【プライベートな会話はしない】

そうそう。

いつもは60分コースが多いのですが、たまに120分コースをオーダーすることがありました。

そんなときは、私はちょっとだけ警戒します。

なぜなら、ロングコースをオーダーするときの加藤さんは、どこかイラついていることが多いからです。

きっと仕事で嫌なことがあったとか、そんなことだと思いますが、私はあえて何も聞きませんでした。

もちろん、お客さんによっては「今日は何かありましたか」と聞くこともありますよ。

それが客商売の常識ですから。

でもね、加藤さんに限っては、何も聞かないほうがいいと思っていました。

理由は特にありません。

ただ、私の長い風俗商売の勘とでもいうんですかね。

「この人には何も聞かないほうがいい」と思うからそのとおりにしていただけなんです。

でも、そんなところを気に入ってくれたのか、店に来ると加藤さんはいつも私ばかり指名してくれました。

【本当はテクニシャン?】

60分コースだと、加藤さんは一人でシャワーを浴びることが多かったのですが、120分コースになると店のルールで風俗嬢が一緒にシャワーを浴びて、体を洗ってもらう決まりになっていました。

つまり、お客さんにしてみれば、体を洗ってあげるという口実で、風俗嬢の体を好き放題に触りまくれるわけです。

だから、それが目的で120分コースをオーダーするお客さんも多かったんですよ。

だけど、加藤さんはそんなことはどうでもよくて、ただ私とダラダラ時間を過ごしたかったようなのです。

加藤さんの洗い方はすごく丁寧で、まるで自分の彼女を愛撫しているかのようでした。

普通のお客さんは、とにかくオッパイとアソコばかりを洗いたがるのに、加藤さんは私の首から下を念入りに洗ってくれるのです。

ガツガツしたところがなくて、しかも指の動きが滑らかなので、私は何度もイカされそうになりました。

合法の風俗店だから加藤さんとはセックスはしていませんが、きっとテクニックもかなりあるんでしょうね。

あーあ。

こんないい人と、どうしてお店で会っちゃったんだろうな。

【私の人生をちょっとだけ変えた人】

加藤さんとどこかの職場で偶然出会って、普通に恋愛できたとしたらどんなによかったでしょうね。

ここまで私を「夢中」にさせたお客さんは加藤さんくらいしかいませんよ。

いや、ホントに。

加藤さんは1年半くらい通ってきてくれましたが、私は加藤さんのプライベートなことはまったく知らないままでした。

聞けば話してくれたでしょうけど、何も聞きませんでした。

だって、聞いてもしょうがないですから。

風俗嬢とお客を越えたお付き合いなんで無理だろうし、そうなれても長くは続かないと思ったからです。

だって、私はいろんな男性に性的なサービスをする女ですからね。

そんな女を自分の彼女にして、大事にしてくれる男なんてまずいませんよ。

いいとこいってセフレどまりかな。

それじゃあ悲しすぎるし自分がみじめだもんねえ…。

でも、加藤さんとは風俗嬢と客としてでもいいから、仲良くやっていきたいと思っていました。

その頃勤めていたお店は店長がすごく嫌な男で、そろそろ辞めたいと思っていたところでした。

でも加藤さんが来てくれて、親しくなっていくうちに「この人が指名してくれる間はこの店にいよう」と決めたんです。

そういう意味では、加藤さんは私の人生をちょっとだけ変えた人ってことになりますね(笑い)

【会えなくても好きな人】

でも、加藤さんだっていつかは店に来なくなる日がきます。

そのときは、黙って去って欲しいと思っていました。

だって、「今日で最後だよ」なんて言われたら泣いちゃいそうだから。

そしたら、私の考えていることがわかったのか(なわけないよね)、加藤さんはある日を境にパッタリ姿を見せなくなりました。

まあ、常連さんにはよくあることですけどね。

他にいい店が見つかってこっちに来なくなるなんて日常茶飯事ですから。

それでも私は半年以上その店にいたかなあ。

きっとまた来てくれるんじゃないかって思いながら。

でも、それっきり加藤さんは来てくれませんでしたけどね(涙)

もう会うこともないけど、加藤さんにはどこかで幸せでいて欲しいです。

ライタープロフィール

木内裕香

木内裕香 現役風俗嬢

中三のとき両親が離婚。原因は母親の浮気。 私は母親に引き取られ、その後母親は浮気相手の男と結婚。 すぐに男の暴力が始まる。 やがてその暴力は私に向き、性的暴力となっていく。母親は見て…

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