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記事タイトル:デリヘル嬢時代の特殊な体験談

ライター:   閲覧数:5792

2019-12-27 10:56:16

どうも、儚です。
以前こちらで書かせていただいた内容で、デリヘル嬢時代に自宅への派遣が一番嫌だった…というものがありました。

その時は、お客さんの自宅に行ってみたらその家の壁が薄くてプレイ中に大変な思いをした…なんていうエピソードだったのですが。
今回は自宅派遣にまつわる、また違った体験談を一つお話したいと思います。

【恐怖の自宅派遣】

私は基本的に派遣先にNGを作ることはしていませんでした。
嬢によっては「自宅派遣NG」なんて子もいるみたいでしたが、私はNGなし。
自宅派遣は確率としては少ないですが、もし予約が入ったとしても自宅NGとなるとお客さんを逃すことになってしまいますから…。

当時銭ゲバだった私はとにかく稼ぎたかったのです(笑)。

滅多にない自宅派遣ですが、たまに大当たりを引くこともありますからね。
超高級マンションのお金持ちに当たったことが何度かあるので、一度おいしい思いをするとまた期待してしまうというのもありました…。

こうして振り返るとことごとくがめついなと、自分でも思います(笑)。

ただ、毎回毎回そうもいかないのは当たり前。
自宅派遣が決定したときの緊張感はホテルに行くのとはケタ違いです…。

なにがそんなに怖いかって?
自宅派遣のリスクは、ホテルに比べると非常に高いと私は思っています。
例えば盗撮の可能性も上がりますし、複数人部屋に隠れていて…なんて展開もないとは言い切れませんしね。

しかし今回私がお話しするのは、盗撮とも、複数人の男に囲まれたのとも違う、ちょっと変わった体験談です。

【派遣先は一軒家…】

この当時私はまだデリヘル嬢としての経験は浅く、自宅派遣に関して嫌な体験はしたことがありませんでした。
むしろ冒険心は強いタイプなので、知らない人の家に行ける特殊な体験をちょっと楽しみにしていたという部分もあります(笑)。

その日はいつものごとく、当時勤めていたデリヘルの待機マンションへ出勤。
しかしなぜかこの日、とにかくお店全体が暇でまさに閑古鳥が鳴くレベル…。

過去にこのお店でそこまで暇な日に当たったことは無かったので、若干焦っていました。
せっかく出てきたのに、全然稼げないじゃないか!と…。

1時間ちょっと待機したところで、ようやく私に出動要請が。
ところが60分コース、しかもフリーだということでいったん上がったテンションがまた下がる私…。

まあ、こんな日はわがままを言ってはいられません。
重たい腰を上げて送迎車に乗り込むと、ドライバーが質問してきました。

「儚さん、自宅ってOKなんですよね?」

OKですよ、と回答した私だったのですが、この時送迎車が向かった先こそ、私が珍体験をすることになる家だったのです…。

車が停まったのはなんと一軒家の前。
私にとって自宅でデリヘルを呼ぶ男性というのは、大体においてアパートかマンションに一人住まいしているイメージがあったのでこの時点でちょっと身構えました。

しかも送迎車を降りてみるとその一軒家は、家の周囲の空間になぜか所狭しと「白雪姫」の七人の小人の置物が飾ってありました。
もはや七人ではなく何十人という単位でしたが…。

もうこの時点で不気味さはMAXです(笑)

【まるでお化け屋敷のおうちに住む変わり者と出会う】

ドライバーは、住宅地につき家の真ん前にずっと車を停めておくわけにもいかず、少し離れたところで問題なさそうなスペースを探して停めて待っていることになりました。

時間帯は夕暮れ時で、薄暗い中いやに静かな住宅街。
そしてその中にたたずむ古めの一軒家と、その家を取り囲む小人たち…。
なんだか異世界に迷い込んだかのような不気味さに、チャイムを押すのもはばかられました。

しかしそんなことを言っても、もう来てしまったものは仕方ありません。
勇気をもってチャイムを鳴らそうとすると、そこに張り紙が。

「故障中につき御用の方はドアを開けて呼んでください」

うそだろ〜常にドア開けっ放しってこと?と思いながらも好奇心の勝った私はドアを開いて「○○○(デリヘルの店名)の儚です〜…」と呼びかけました。

玄関は薄暗く、そこにも数人の小人の置物。いったい何人暮らしなのでしょうか(笑)。
すると奥から「はーい!」と男性の声。

出てきたのは一目見て「変わり者だ」と断定できる男性でした。
前髪を眉の大分上で切りそろえたおかっぱのような髪型になぜかサングラス、服装は全身水玉模様の上下。

「奥へどうぞ〜」と声をかけられ、慌てて靴を脱いで中へと入ります。
廊下の左右にはいくつもドアがありましたがすべて締め切られていました。

一番突きあたりの居間へ入ると、そこはふつうなら悲鳴を上げて逃げ出すレベルじゃないかと思われる状況。
なんと…天井から大量の人形が逆さに吊り下げられていたのです。
しかも照明はピンク…。

この人おかしな人なのかな?もしかしてここで私の人生は終わりか?
そんなレベルのおかしな光景に唖然。
しかしこの後の展開は予想外でした。

彼はソファに座ると、私にも向かいのソファに座るよう勧めてきます。
しかも「あ、別に僕サービス求めてないから。そこに座ってるだけでいいから」とのこと。

「え、私どうしたら良いですか?!」焦った私が聞くと、彼はこう言いました。

「そこに座って、僕が作詞作曲した曲を聞いてくれ、そして感想ちょうだい」

…え〜どういうこと?!
「なんか飲みなよ、まあ、コーヒー牛乳しかないんだけどさ」そう言って彼が冷蔵庫を開けると中は本当にコーヒー牛乳だけ、何十本も…。
彼はこれだけで生きているのでしょうか…。

そしてそこからは、本当にカオスな時間。
彼が作詞作曲し歌っているという曲のCDを爆音で聞かされること40分。
ジャンルはビジュアル系…。

当時そこまでビジュアル系のことは分かりませんでしたが嫌いというわけでもなかったので、最後にコメントを求められた際「私は好きです!」と答えると非常に喜び、最後にコーヒー牛乳を一本プレゼントされて終わり。

不気味な一軒家と変わった容姿により私は当初恐怖を抱いていましたが、ちょっと特殊なお客さんと言うだけで一安心。
こうして不思議な60分は終わり、私は送迎車へと再び乗り込んだのでした。

【後日談】

このエピソードにはちょっと面白いオチがあります。
実は私、この直後にビジュアル系にハマることとなり、メジャーバンドからマイナーバンドまで幅広くライブに通うという生活に…。

1年ほどたったある日、地元でその当時人気が出ていたビジュアル系インディーズバンドのライブに行くことになりました。
同じくビジュアル系好きの友人と待ち合わせ、ライブハウスへ。

するとその時ステージにボーカルとして立った人物、それまで写真でしか見たことがなかったのですが…実物を見て「あれ?」と思いました。
そして曲が始まってみると確信。

「この人、あの時の彼じゃん…」

そう、あのとき変わった一軒家で私を呼びカオスな60分を過ごした相手が、ボーカルとしてそこに立ち、その時爆音で私に聞かせた歌を歌い出したのでした(笑)

世の中おもしろいこともあるもんですね。
では、また。

ライタープロフィール

儚

元風俗嬢

幼い頃から今に至るまで「事実は小説より奇なり」の変態ホイホイ人間。おかげさまで普通の感覚を超越し、好奇心からデリヘル、箱ヘル、ソープランドから高級クラブ、その他諸々経験済。現在自…

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