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記事タイトル:キャバ嬢時代の個人的七不思議~おっぱい研究家編~

ライター:   閲覧数:3170

2019-03-11 11:05:33

どうも、儚です。
風俗業界で長く働いてきた私。今回はその数々の経験の中でも、「キャバクラ」でのエピソードをお話していきたいと思います。
一応注意点として最初に述べておきますが、もちろん私が語るキャバクラとは単におしゃべりをしてお酒を飲んで…という場ではありません。別名「セクキャバ」「おっパブ」などとも形容されるタイプの性的な飲み屋さんですよ(笑)。今回書かせていただきますのは、私が体験したキャバクラでの珍客エピソードです。それではスタート。

【そこはとあるセミハードキャバクラ】

当時私が働いていたお店は、セミハードと呼ばれる分類のサービスを提供していました。簡単に言えば、「生乳おさわりOK、下半身はNG」というタイプです。席に着いた後、常に片足をお客様の膝の上に乗せて密着し接客する、俗にいう「足かけ」はデフォルト。
店内が明るい間はお酒を飲みつつ、ちょっとしたイチャイチャとおしゃべりを楽しみます。そして店内の照明が暗くなる「ダウンタイム」になった瞬間から、再び店内が明るくなるまでの間はお客様の膝の上にまたがり、生乳をさらけだし好き放題される…という流れ。
この時働いていたお店は当時ではかなり繁盛しているお店で、週末ともなると深夜になっても、店の外に並んで待つお客様が列を作っているような状況でした。もちろん指名で来るお客様もたくさんいるのですが、なにより団体や新規が来店客の大部分を占め、もはや仕事は流れ作業。よほどのことがない限り、何度も指名してくれているお客様以外のことは顔も名前も話した内容もその日のうちには忘れるような毎日。
しかも毎日深夜までの業務中、お酒を飲みまくっているもので、接客した相手に関する忘却の速さはすさまじいものでした。そんな中、私がそのお店で1度しかあったことがないのにもかかわらず未だに脳裏に焼き付いたまま離れない強烈な人物が来店したのは、とある夏の、熱帯夜でした。

【おひとりさま】

私が働いていた当時、来店されるお客様はグループ率が高く、もし1名での来店があった場合は高確率で指名の嬢がいるお客様。新規で1名来店というのは珍しかったのです。
しかしこの日、彼は1人でやってきました。私はたまたま直前の接客で場内指名を逃し、ダウンタイムでまさぐられた乳を控室にておしぼりで拭いていたのですが、その時黒服から声がかかりました。

「儚さん、1名新規フリーでよろしく!」

めずらしいこともあるものだ、と思った記憶があります。呼ばれた私は席へ向かいました。するとそこに座っていたのは、あまりキャバクラの客としては見たことの無いタイプの男性。姿勢よく席に座る眼鏡の彼は、中肉中背年齢不詳。ただとにかくまじめそうな雰囲気を醸し出していました。席まで私を案内した黒服が去ったのち、

「はじめまして、儚です。お隣良いですか?」

明るく話しかけながら足かけの基本体勢へ入る私。すると彼は即座に言いました。

「そういうの、いいですから」

…えっ。驚いて固まる私。そしてそんな私にさらに、

「足、おろしていただいて良いですか」

追い打ちをかける彼。なんでしょう、人間、乱暴な口調で言われるよりも淡々と敬語で言われる方が傷つくことってあるんですね。早々に撃沈した私はおとなしく自分の足をおろし、彼の隣に同じく姿勢を正して座りなおします。なんなんだ、この状況…。とりあえずお酒をつくらねばと、気を取り直しグラスに手を伸ばした瞬間、再び彼が口を開きました。

「あ、自分、お酒飲まないんで水で良いです」

珍種来店。この言葉が一瞬で脳裏をよぎりました。こんなパターンはキャバ嬢としてそれなりに働いてきた私でも初めての状況です。いったいこの人は何をしにこの店に並んでまで入店したのか、という疑問で頭がいっぱいになります。しかし次の瞬間本人の口から答えが飛び出しました。

「すみませんが、おっぱいについて研究しているのでご協力ください」

【あなたは何者】

そこからはまさにカオスな時間。彼は持参のカバンからメモ帳やノート、筆記用具を出して卓の上に並べ、私へ淡々とインタビューを開始したのです。覚えている限りですが「サイズ、カップ、ブラジャーのメーカー」から始まり「乳を触られる仕事を始めてからの期間」「実際仕事でも感じるのか感じないのか」など多くの項目を質問されました。その都度熱心にメモを取る彼に、巡回してきた黒服も怪訝な顔です。
もしかしてこういう性癖なのか?と思い始めたころ。唐突に彼はカバンからメジャーと小さい「はかり」を取り出したのです。はかりって、あれですよ。デジタルではなく誰しも理科の授業で一度は使ったことのあるであろうアナログの、上に皿が乗ったタイプの計量器ですよ。いったい何が始まるのかと思いびくびくしていました。するとここでダウンタイムの開始です。照明の落ちる店内、彼はあらかじめ私に上に乗られぬよう、自分の膝の上にかばんを置いています。私はいったいどうすれば…。

「すみません、おっぱい出していただけますか?」

良かった、指示があった!と思うと同時に、敬語で性的なことを言うと完全に変態紳士のようなニュアンスになることを学習しました。素直に乳を丸出しにする私。すると彼はメジャーを手に取り、なんと私の乳首を採寸し始めたのです。揉みも舐めもせず…。
さらにそれを記録後、例の計量器に私の乳を片方ずつ乗せてグラムを記録。その手つきには一切いやらしさは感じられず、まるでなにかの検診に来たかのような感覚に陥りました。
巡回の黒服がびっくりして二度見してきたときの顔は一生忘れないでしょう。また、普通の男性なら興奮するはずの、ダウンタイムで照明が落ちている店内に対し「暗くて見づらいな、チッ」と舌打ちをした人間は後にも先にも彼だけです。

【今でも気になる研究結果】

計測が終わるとほぼ同時にダウンタイムが終了。より多くの資料が欲しいであろう彼に場内指名などもらえるはずもなく、私はそそくさと服を着て席を去ったのでした。結局彼が何者で、何のためにそのような統計を取っていたのかはわからずじまい。彼の様子から推測するに、単なる性癖ではなかったと思います。今でも私は思っています、独学だったにしても何らかの本格的な研究だったにしても、いち被験者としてその研究結果が知りたいと…。それでは、また。

ライタープロフィール

儚

元風俗嬢

幼い頃から今に至るまで「事実は小説より奇なり」の変態ホイホイ人間。おかげさまで普通の感覚を超越し、好奇心からデリヘル、箱ヘル、ソープランドから高級クラブ、その他諸々経験済。現在自…

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