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元風俗嬢ライターの野田珠輝（たまき）です。
高級SM店や完全会員制のお店は別として、お客様の身元はこちらからまったくわかりません。
基本的にわかるのは電話番号だけ…。
店舗型風俗店であれば、体一つでフラリと立ち寄る方も多いでしょう。

これ、実は働く女性側からしたらちょっと怖いです。
お客様からすると「電話番号だって教えたくない！」なんて気持ちになるのもわからなくはありません。
ただ働く女性なりに怖い気持ちと「こんな風俗店があればいいな」という願望を書いてみます。

【知らない男性と個室で2人きりの恐怖】

単純に力では敵わないと分かっている相手と個室で2人きり。
普段、感覚はマヒさせていますがよくよく考えると怖いものです。
風俗嬢は少し威圧的な態度を取られると、次にどう行動すれば、どのような言葉を発したら安全かを咄嗟に考えて動いています。

風俗店を大きく2つの形態にわけた観点からもご説明しますね。

・店舗型の場合

待合室で待っているお客様が「知り合いでないかどうか」マジックミラーごしに見ることができるお店もあります。

しかし…顔の向きや照明によっては「見えない！似てるけどわからない！」なんてことは多々。
「そうそう知り合いには会わないだろう」なんて希望的観測で「たぶん大丈夫です」と接客したこと数回！
私の場合は知人に会うことはなかったですが、過去の同級生に会ってしまったなどよく聞く話です…。

・無店舗型の場合

これは正直、店舗型の何倍も怖いです。
スタッフさんがすぐ側にいないですから…何かあってもすぐに来てくれません。
くわえて最近のラブホテルは料金を支払わないと外に出られない！

トイレやお風呂に逃げこもうにも、鍵が付いてないことも多いですよね。
万が一スマホを持って入れたとしても、電話で助けを呼びながら閉じこもることができるでしょうか。

もし何かあった時には灰皿やリモコンを投げつけることを考えていましたが『過剰防衛』と取られないかは心配でした。
投げつけられそうなものの位置は常に把握していましたが（笑）実際にそのような場面にならなかったことは本当に幸いです。

【男性客の身分証明書の提示を】

デリバリーヘルスに限らず、風俗で働いていると身の危険を感じることは少なからずあるもの。
男女の力の差という部分以外でも、付きまといや連絡の返事の強要、ストーカー行為なども挙げられます。
そこで身分証明書のコピーを取り、お店側で管理することによって抑止力にならないかと考えました。

風俗という一見アンダーグラウンドな世界で「自分の個人情報が悪用されないか不安」なんて声は耳にします。
整備が必要な面はあるでしょう。
今のところは年齢がお若そうに見える方の生年月日をその場で確認するにとどまっているので心配することはありません。
免許証のコピーのみで悪用されることもほぼないと考えられています。

しかし、風俗嬢はお店に身分証明書…なんなら戸籍（厳密に言うと国籍）の確認まで取られます。
理由については理解していますが、なんでしょう！この不公平感！

私個人の意見ですが、女の子はお客様の本当の素性を知りたいとは思いません。
でもお店には身分証を提示していただきたい。
何かあった場合（お店で感染症がはやったなど）にお客様に連絡ができることもメリットの一つです。

風俗嬢側からすると、身分が知れている方ならば迷惑行為の強要の抑止力になるのではと期待が持てます。
正直に言うとパパ活アプリなどと違い、何割かをお店に持っていかれるのにお店に在籍するメリットは少ないなと感じることがあるのも事実です。

もちろん人件費や広告費、家賃等がかかっていることは理解しています！
しかしお店に在籍していても危機管理は女の子任せというお店もよく耳にします。
安心して働ける環境がもっと整備されればと元風俗嬢の立場からは思うのです。

【電話番号は教えているんだからいいじゃない？】

さて、デリヘルなどでは電話番号が必須です。
電話番号は伝えているのだからいいじゃない？と思うでしょうか。
これはあくまで利用時に「道路が混雑していて遅れます」などの連絡に使われるだけです。
電話番号を伝えたために、実生活を送っている最中に電話がかかってくることはありません。

特に既婚者であれば、周囲に「風俗を利用している」と公言している方はそう多くはないでしょう。
人によっては風俗用の電話番号を持っていることもあるのだとか。
何かあればすぐに解約できるようにしているそう。

本番強要などしておいて示談金を支払うと言いながら「連絡がつかない」なんてこともあるかもしれないと思うと背筋が凍ります。
（そのような場合はさすがに身分証のコピーを取ることが多いですが）

デリヘルでは電話番号を知られているのにもかかわらず、本番強要（お願い程度も含め）が当たり前のように行われています。
もしお客様の住所や本名をお店が完全に管理しているとしたら…。
そのようなことは大幅に減るのではないでしょうか？

結果として風俗業界がクリーンになっていくのではという希望的観測です。

【まとめ】

とはいえ誰が身分証の確認をするのか、コピーはどう保管するのか、身分証を忘れてしまった場合にどのような対応を取るのかなど問題は山積でしょう。
身分証を見せたくないがためにSNSで相手を見つけるようなことがあっては、更に大変なことになるかもしれません。

最近では女の子を自由に撮影できるオプションが人気と聞きます。
「これらをインターネット上にアップすることはしません」という誓約書を書くと同時に身分証の確認をするお店もあるようです。
撮影したものを誰にも見せず、ごく個人で楽しんでもらうための抑止力になりますね。

電話番号を風俗店に伝える不安は理解できますし、身分証を見せるだなんて更にハードルが高い！と思う方もいるでしょう。
しかし働く女性側からすると、素性の知れない人物を接客するのと、お店側で住所や本名を控えているのとで安心感は全く違ってきます。

実際に身分証を確認しているのはごく一部の風俗店ですし、これからもそれは変わらないでしょう。
ただ少しだけ「密室で見知らぬ男性と2人きりになるのは怖いんだよ」と理解していただければなと思います。